
私は数年前、夫と離婚しました。離婚に向かう過程は、決して平坦な道ではありませんでしたが、いちばん悩んだのは「子どものこと」でした。親として、離婚してもできる限り子どものそばにいたい、関わりたい。そんな想いのなかで知ったのが、「共同親権」という制度です。
正直、それまで聞いたこともなかった言葉でした。でも調べていくうちに、「これって、子どものためにも私たちのためにもいい考え方なのでは?」と思うようになったのです。
この記事では、私が「共同親権」というものを知ってから、実際にそれをどう考えたか、どんなメリットや不安があったのかを、自分の言葉でまとめてみたいと思います。
共同親権ってなに?私なりの理解

今の日本の法律では、離婚すると「どちらか一方」が親権を持つことになります。これは「単独親権」と呼ばれていて、もう一方の親は、たとえ実の親でも法的には決定権を失ってしまうんです。
一方の「共同親権」は、離婚しても父親・母親が一緒に子どもの育児や教育などに関わっていくスタイル。進学のことや病院に連れていくこと、いろんな場面でふたりで話し合って決めていくという仕組みです。
海外ではこの共同親権が当たり前になっている国も多くて、実際に子どもと交互に住む「共同養育」という形をとっている家庭もあるそうです。
離婚しても「子どもの親」はやめられない

私が離婚を考えはじめた頃、元夫との関係はすでに冷え切っていて、顔を合わせるのも辛い状態でした。でも、そんな状況でも「子どもはふたりの子どもだよね」と、心のどこかで思っていたんです。
実際、離婚後に「片方だけが親になる」ような制度って、なんだか極端だなと感じました。私のまわりにも、子どもに会えなくなった父親、連絡も取れない母親がいて、その子どもたちはどこか寂しそうでした。
子どもから見れば、どちらも親。どちらかを“いない存在”にしてしまうのって、本当に子どもの幸せになるのかな?そう思って、「共同親権」という選択肢に希望を感じたのです。
共同親権のいいところ

1. 子どもにとって両親がいつまでも“親”でいられる
これは本当に大きなポイントです。離婚したからといって、子どもにとっての「お父さん」「お母さん」がいなくなるわけじゃありません。共同親権があれば、子どもが大事な選択をするとき、両方の親が関われる。これは子どもの安心にもつながると感じます。
2. 養育の負担も相談して分担できる
たとえば、進学先の相談や塾の送り迎え、習い事の支払いなど、すべてを1人で背負うのは大変です。私は母親として親権を持つ立場になりましたが、今も元夫と連絡を取り合いながら育児を続けています。完全に「共同親権」という形ではないですが、実質的にはそれに近い形でやっています。
不安に感じたこともあります
もちろん、共同親権にも不安はありました。とくにこんなことが気になりました。
● 意見が合わなかったときどうする?
教育方針や、進路のことで元夫とぶつかったこともありました。「そんな学校に通わせたくない」「私はこう思う」など、やっぱり離れて暮らしているからこそ話し合いも難しい。
だからこそ、事前に「どういうルールで相談するか」「どうやって最終判断するか」をしっかり決めておく必要があります。
● DVやモラハラがあったら危険
私の場合はそうではなかったですが、もしも配偶者に暴力や精神的な支配があった場合、共同親権はかえって被害者の負担になる可能性もあります。実際、そうした人たちの声を聞くと「共同親権は一律ではダメだ」と強く思います。
日本ではまだ制度化されていないけど…
2025年4月現在、日本では離婚後の親権は「単独親権」が基本で、法的な「共同親権」はまだ導入されていません。ただし、「法制審議会」というところで、将来の導入に向けた議論が進められています。
実際、周囲にも「一緒に子育てしたいけど制度がなくて難しい」と感じている人は多いです。養育費のトラブルや、面会の拒否など、制度がもっと整っていれば解決できることもあるのにな…と思います。
私たち家族がしている“なんちゃって共同親権”
私たちの場合、法的には私が親権者ですが、実際には元夫とLINEでやりとりをしながら、保育園のこと、小学校のこと、進路のことを一緒に考えています。
誕生日や運動会にも来てくれるし、子どもも「パパがいる」とちゃんと感じられているみたい。子どもにとっても、大人にとっても、こういう形があるんだということを知ってほしいです。
これから離婚を考える人へ|私からのメッセージ
離婚って、すごく勇気がいります。ましてや子どもがいるとなると、不安や迷いも多いですよね。私もそうでした。
でも、子どものことを一番に考えたとき、「どうやって関わり続けるか」という視点で考えるのはとても大切です。共同親権という言葉を知らなかった私が、今では「子どものためにできること」を一緒に考えている。それが私の答えでした。
もしあなたが同じような立場にいるなら、一度「共同親権」という選択肢について考えてみてください。もしかしたら、それがあなたとお子さんにとって、ちょうどいい距離感かもしれません。
離婚相談パートナーは悩めるあなたの味方です。