
「離婚」
その二文字が、ふと頭をよぎる。 最初はほんの小さなさざ波だったのに、気づけば心を支配する大きなうねりになっている…。
かつての私が、そうでした。
横浜の港が見えるこの街で、幸せな家庭を築くはずだった。でも、いつからかすれ違い、冷たい空気が流れる家で、先の見えない不安に胸が張り裂けそうでした。「このまま我慢し続けるしかないの?」「でも、子どもがいるし、経済的にも無理…」そんな思考が頭の中をぐるぐると回り、眠れない夜を何度も過ごしました。
この記事は、数年前に横浜で離婚を経験した私が、過去の自分と同じように、今まさに暗いトンネルの中で一人うずくまっているあなたへ向けて書いています。
これは、単なる手続きの解説書ではありません。私が実際に歩んだ道、感じた痛み、そして後悔しないために「やっておいて本当に良かった」と思うことの全てを詰め込んだ、一通の手紙のつもりです。
大丈夫。あなたは一人じゃありません。 この記事を読み終える頃には、きっと心が少し軽くなり、次の一歩を踏み出す勇気が湧いてくるはずです。
第1章:「離婚したいかも…」そう感じたら、まず自分にしてあげてほしいこと

勢いで「離婚しましょう!」と口にしてしまう前に、どうか一度立ち止まって、ご自身の心と未来のために、少しだけ時間をとってあげてください。あの頃の私がそうだったように、きっとあなたの心は疲れ切っているはずですから。
1-1. 離婚の種類?正直、それどころじゃなかったけど…
専門書を開くと、まず「離婚には協議・調停・裁判の3種類が…」と書いてあります。もちろん知識は大切です。
- 協議離婚: 夫婦で話し合って決める、一番円満な形。
- 調停離婚: 裁判所で、第三者を交えて話し合う形。
- 裁判離婚: 最後の手段。裁判官に決めてもらう形。
でも、当時の私にとって、そんな言葉はどこか他人事でした。夫とはもう、まともに会話もできない状態。「話し合い」なんて、不可能に思えました。もしあなたも同じ状況なら、無理に二人だけで解決しようとしなくていいんです。「話し合いが無理なら、調停という次の手がある」と知っておくだけで、少しだけ心が軽くなるはずです。
1-2.【体験談】一番怖くて、一番大事だった「離婚後の生活設計」
私が離婚をためらった最大の理由は、お金のことでした。専業主婦だった私に、この横浜で子どもを一人で育てていけるんだろうか、と。
「なんとかなる」そう思いたかったけれど、私は一度、鬼になって自分の未来と向き合いました。
- 住まい: 横浜市内の実家近くで、家賃8万円台のアパートを探す。敷金礼金はいくら?
- 仕事: ブランクがあっても働ける場所は?まずは時給1,200円のパートから始めて、月収はいくらになる?
- 生活費: 家賃、光熱費、食費、子どもの学費、習い事…全部書き出してみたら、毎月ギリギリか、むしろ赤字。
ノートに書き出した数字を見て、目の前が真っ暗になりました。でも、この「現実の直視」こそが、私の離婚準備の第一歩でした。「これだけのお金が必要なんだ」と分かったからこそ、後述する財産分与や養育費の交渉で、絶対に譲れないラインを自分の中に作ることができたのです。辛い作業ですが、ここから逃げないで。それが未来のあなたを救う盾になります。
1-3. 悔し涙を、未来への武器に変える「証拠集め」
私の離婚理由は、夫の長年にわたるモラハラでした。「お前は価値のない人間だ」「誰のおかげで生活できているんだ」。そんな言葉のナイフに、心はズタズタでした。
でも、そんな「目に見えない暴力」は、証拠がなければ「夫婦喧嘩」で片付けられてしまいます。私は、弁護士さんに相談する前に、自分にできることを始めました。
- 日記: いつ、どこで、何を言われたか、されたか。その時の気持ちも、具体的に毎日記録しました。
- 録音: 夫が激高し始めたら、スマホのボイスレコーダーをONにしました。手が震えました。でも、これが未来の私と子どもを守る証拠になるんだと、必死でした。
もし、あなたが不倫やDVで苦しんでいるなら、どうか証拠を集めてください。その悔し涙は、慰謝料や有利な条件を勝ち取るための、何よりの武器に変わります。
第2章:横浜での離婚手続き、私のリアルな道のり

ここからは、私が実際にたどった手続きの流れです。あなたの状況に合わせて、どこから参考にするか考えてみてください。
2-1. 協議離婚という名の「不毛な話し合い」
最初は、弁護士費用を節約したくて、二人で話し合おうとしました。でも、結果は惨敗。感情的になるばかりで、養育費の話をすれば「そんなに払えるか!」と怒鳴られ、財産分与の話は無視。話し合いのたびに心がすり減っていきました。
【体験者からのアドバイス】公正証書は未来のお守り もし、幸いにも話し合いで合意できたなら、絶対に「離婚協議書」を作成し、それを**「公正証書」**にしてください。費用は数万円かかりますが、これは未来への投資です。特に養育費など長期の支払いは、口約束がいかに脆いものか、私は嫌というほど周りで見てきました。横浜市内にも公証役場はいくつかあります。この一手間を、絶対に惜しまないでください。
2-2. 調停離婚へ。横浜家庭裁判所の重い扉
話し合いが無理だと悟った私は、弁護士さんに依頼し、調停を申し立てることにしました。
横浜家庭裁判所から相手方に書類が届き、いよいよ第1回調停期日。ドラマで見るような法廷ではなく、小さな会議室のような部屋でした。相手と顔を合わせないように、待合室も別々。これは本当にありがたかったです。
「調停委員」という、おじいさんとおばさんのような男女二人が間に入って、交互に話を聞いてくれます。私は、ただただ、今までの辛かったこと、これからの希望を、涙ながらに話しました。調停委員の方は静かに頷き、私の言葉を整理して相手に伝えてくれました。
直接言い合っていた時には進まなかった話が、第三者が入ることで、少しずつ、本当に少しずつですが、前に進み始めたのです。
2-3. 裁判は、最後の最後のカード
幸い、私は調停で離婚が成立しましたが、もし不成立だったら裁判になっていました。弁護士さん曰く、裁判は時間もお金も、そして精神的なエネルギーも段違いにかかるそうです。ここまで来ると、弁護士の存在は不可欠になります。
第3章:人生が変わる交渉。「お金」と「子ども」のこと

離婚で決めることは沢山ありますが、この二つは、あなたの今後の人生を大きく左右します。どうか、感情的にならず、でも絶対に妥協せず、粘り強く交渉してください。
3-1. お金の話は、卑しくなんかない。生きるための権利。
- 財産分与: 私は「夫の財産なんて、あの普通預金くらいだろう」と思っていました。でも弁護士さんに相談してビックリ。夫名義の生命保険や、独身時代からのものだとばかり思っていた株も、結婚後に増えた分は財産分与の対象だと知りました。知っているか知らないかで、数百万円単位の違いが出たかもしれません。専門家に相談する価値は、ここにあります。
- 慰謝料: 私のケースでは、モラハラの証拠(日記や録音)が決定打となり、慰謝料を認めさせることができました。金額の多寡よりも、「あなたの行為は、私を傷つける不法行為だった」と認めさせられたことが、心の回復に繋がりました。
- 年金分割: 忘れてはいけないのが年金分割です。専業主婦だった私には、将来の大きな支えになります。これも忘れずに手続きしました。
3-2. 子どものために、私は「母親」であり「交渉人」になった
- 親権: これは、私にとっては譲れない一線でした。幸い、主に監護してきた実績から、ここは争いになりませんでした。でも、もし争いになったら「どちらが子どもを幸せにできるか」を客観的に示す準備が必要だったと思います。
- 養育費: 裁判所の「養育費算定表」はあくまで目安。私は、「この算定表の金額では、横浜で習い事を一つ続けさせるのも難しいです」と、具体的な塾の月謝や教材費を示して交渉しました。子どもの未来のためです。ここで遠慮してはいけません。
- 面会交流: 正直、離婚当初は夫に子どもを会わせるのが怖かったです。でも、子どもにとってはたった一人の父親。弁護士さんと相談し、「月1回、第三者の立ち会いのもとで2時間」という具体的なルールを決めることで、私の不安も子どもの権利も、両方を守ることができました。
第4章:一人じゃない!横浜で私を支えてくれた人たち

暗闇の中で、私を照らしてくれた光。それは、専門家や公的機関の存在でした。
4-1.【体験談】弁護士事務所のドアを叩いた日
初めて法律事務所に相談の電話をかけた時、心臓が口から飛び出しそうでした。「こんなこと相談して、笑われないだろうか」と。
横浜市内で離婚に強いと評判の女性弁護士さんを予約し、事務所のドアを叩きました。先生は、私の拙い話を、一度も遮ることなく、静かに聞いてくれました。そして、一通り話し終えた私に「…一人で、本当によく頑張ってこられましたね」と。その一言で、張り詰めていた糸が切れ、私は声を上げて泣いてしまいました。
弁護士は、ただ手続きをする人ではありません。法という武器で、ボロボロになったあなたの心を守ってくれる、最強の味方です。費用は決して安くありませんが、私は「安心を買う費用」だと思っています。複数の弁護士さんと話してみて、あなたが「この人になら任せられる」と心から思える人を見つけてください。
経済的に厳しい方は、法テラス横浜という選択肢もあります。諦めないでください。
4-2. まずは一歩。横浜市の無料相談窓口
いきなり弁護士はハードルが高い、という方は、区役所の無料法律相談や、**男女共同参画センター横浜(フォーラム)**に行ってみてください。私も最初に行きました。短い時間ですが、専門家と話すことで、自分の悩みが整理され、次の一歩が見えてきます。
第5章:離婚成立。そして、横浜での新しい暮らし

離婚届を提出した日。不思議と、涙は出ませんでした。ただ、横浜の空が、いつもより少しだけ青く見えました。
もちろん、離婚後の生活は楽ではありません。山のような手続き、慣れない仕事と子育ての両立。急に寂しさが襲ってくる夜もありました。
でも、そんな時、私を支えてくれたのが、横浜市の制度でした。お住まいの区役所こども家庭支援課に行けば、児童扶養手当やひとり親家庭の医療費助成など、利用できる制度を教えてくれます。窓口で「大変ですね、頑張ってください」と声をかけてもらった時、「私はこの街で、一人じゃないんだ」と心から思えました。
最後に:今、一番辛いあなたへ

離婚は、体力も気力も、そしてお金も使います。失うものも沢山あります。 でも、私は離婚して、一番大切なものを取り戻しました。
それは、**「穏やかな時間」と「心からの笑顔」**です。
夫の顔色をうかがうことなく、子どもと食卓を囲み、「今日、学校でこんなことがあったんだよ」と笑いながら話す。そんな、当たり前のはずだった日常が、今は何よりも愛おしいです。
暗いトンネルは、必ず抜けられます。 大丈夫。あなたは、もっと幸せになっていいんです。
この記事が、横浜で新しい人生の一歩を踏み出そうとしているあなたの、小さな灯りとなることを、心から願っています。離婚相談パートナーは悩めるあなたの味方です。