
1. 弁護士に相談する「その前」にあったこと

弁護士に相談する、というと、少し大げさな印象を持つ人は少なくありません。私もそうでした。「こんなことで弁護士に相談していいのか」「費用が高そう」「相手に知られたら困る」――そんな思いが、最初の一歩をなかなか踏み出せずにいました。
私が初めて弁護士に相談したのは、離婚を決意したときでした。結婚生活は10年目に差し掛かり、子どもも2人いましたが、夫との関係はすでに冷え切っていました。浮気が発覚したことが決定打となり、「もうこの人とは無理だ」と思い、離婚を決意。
しかし実際に離婚に向けて動き出すと、予想もしなかった問題が次々に出てきました。
- 子どもの親権はどちらが持つべきか
- 養育費の金額や支払方法は?
- 夫名義の住宅ローンはどうする?
- 慰謝料を請求できるのか?
ネットで調べても、情報が多すぎて逆に混乱。何より、「自分の場合はどうなのか」がまったく分からない。
そこで、「一度だけでも専門家に話を聞いてみよう」と、無料相談を実施している弁護士事務所をネットで探し、予約しました。
2. 弁護士相談の当日:相談の流れと心境

相談当日はとても緊張しました。受付で名前を告げると、個室に案内され、しばらくして40代くらいの男性弁護士が入室。
「こんにちは、今日はどうされましたか?」と穏やかに声をかけてくれたことに少しホッとしました。
私が持参したのは以下のような資料でした:
- 夫の浮気の証拠(LINEのスクリーンショットや写真)
- 住宅ローン契約書のコピー
- 子どもとの家計管理メモ(養育費試算に備えて)
最初の30分は、私の話をじっくり聞いてくれました。「ここは話さなくてもいいかな」と思っていたことも、弁護士の落ち着いた姿勢に背中を押され、思わず口にしてしまいました。
弁護士は私の状況を聞いたうえで、法的に可能な選択肢を丁寧に教えてくれました。
- 浮気の証拠として十分に認められること
- 親権は生活環境や収入よりも「主に育ててきたか」で決まる傾向があること
- 養育費の相場は家庭裁判所の算定表である程度決まっていること
- 慰謝料の金額は状況によりけりだが、200万円前後が現実的であること
「法的にどうなるか」だけでなく、「現実的にどう進めるか」も併せてアドバイスしてもらえたのが、とても安心できました。
3. 弁護士に相談してよかったこと

① 気持ちが整理された
自分の気持ちを誰かに話すことで、思考が整理されました。「離婚したいけど怖い」「子どもにどう説明すればいいか分からない」――そんな混乱した感情を、冷静に受け止めてもらえたことで、自分が本当に望んでいることに気づけました。
② 法的な見通しが立った
最も安心したのは、「この件は法的にこういう方向で動く可能性が高い」と明確に示してもらえたこと。ネットの断片的な知識では分からない、“私の場合”の見通しが見えた瞬間、「よし、ちゃんと進めよう」と覚悟が決まりました。
③ 無料相談でも十分得られるものがあった
今回の相談は無料だったため、費用面の不安も最小限で済みました。30分という短い時間でしたが、重要な論点はすべてカバーでき、「正式に依頼するかどうか」はその後に判断できるスタイルもありがたかったです。
4. 弁護士に相談するときのポイント

これから弁護士に相談したいと考えている人に、私の経験からいくつかアドバイスがあります。
① 準備は“できる範囲”でOK
完璧な資料を揃えようとせず、分かることだけでもいいので整理しておくと話がスムーズに進みます。たとえば、
- 時系列メモ(何年何月に何があったか)
- 契約書や領収書などのコピー
- LINEやメールのやり取り(スクショでOK)
などがあるとよいです。
② 「相談だけでもOK」の事務所を選ぶ
最近は「初回無料相談」「相談のみでも歓迎」と明記している弁護士事務所も増えています。事前にホームページなどで確認しておくと安心です。
③ 自分との“相性”も大切
法律の知識だけでなく、「この人なら任せられそう」と思える人かどうかはとても大事です。話し方や態度が自分に合うかを意識してみてください。
5. 弁護士に相談した“その後”

私の場合、無料相談をきっかけに、その弁護士に正式に依頼することになりました。内容証明郵便の送付から、離婚協議書の作成、相手との交渉まですべてお願いし、半年ほどで離婚が成立。
結果的に、
- 親権は私が取得
- 養育費は月6万円を取り決め
- 慰謝料は180万円を一括支払い
という条件で合意しました。特にトラブルもなくスムーズに話が進んだのは、弁護士が中立的に、かつプロとして対応してくれたおかげだと思います。
6. まとめ:弁護士は「最後の砦」じゃない

弁護士に相談することは、「裁判沙汰になる前の予防策」としても非常に有効です。
- トラブルを未然に防ぎたいとき
- 自分の立場が不利かもしれないと感じたとき
- 第三者に冷静に話を聞いてもらいたいとき
そんなときこそ、弁護士の力を借りるべきです。早めに相談していれば、余計なストレスや損失を防げる可能性も高まります。
私自身、「もっと早く相談していれば…」と感じる場面が何度もありました。だからこそ今、もしあなたが何かに悩んでいるなら、ぜひ一度、弁護士に相談してみてください。
自分一人では見えなかった「道」が、きっと開けてくるはずです。